ヨミカツ

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位置情報と検索ワードでクラスターは防げるか

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まとめ

・政府は先月31日、yahooやgoogle、携帯大手に対してデータの提供を呼びかけていた。(参考:ヤフー、分析データを政府提供へ 新型コロナで :日本経済新聞

・これらの企業から提供を受けるデータとしては、スマホを持つ利用者の位置データや多く検索された言葉の履歴など

シンガポールでは感染者の足取りを追うため、政府が専用のスマートフォンアプリを開発し無料配布している。感染者のスマホのデータから行動経路を調べ、政府は見つけ出した接触者と連絡を取ることが出来る。日本政府でもこの例を参照し、日本版を導入する案が検討された。

 

考察

早い段階で新型コロナウイルスの感染者の急増を迎えた韓国は、おおよそ10分で感染者の足取りを追うことが出来、濃厚接触者の洗い出しに成功している。

 

この記事を読んで、日本はどのようにして感染者の爆発を防ぐのか、気になっていましたが、もう既に携帯3大手三者に協力を仰いでいたと聞き水面下では動いていたんだなと驚きました。

 

しかし、今回活用するデータとして政府は具体的に「個人を特定しない位置情報のデータ」と「多く検索された言葉」が挙げられています。韓国では個人のキャッシュレスの履歴に直接アクセスし、足取りを追っていますが、日本は個人を特定しない範囲内でのデータの活用になります。

 

これらのデータがどのように感染拡大を防ぐのに使われるのかと考えた時に、韓国は感染者の具体的な足取りを虱潰しに追っていたのに対し、日本はこれから感染者が発生するであろう場所を突き止め、多くの感染拡大が発生するのを未然に防ごうとしているのだと感じました。

 

韓国の事例のように足跡を辿っていくことによって、「あの場所で感染拡大がしていた」と事実が明らかになることもありますが、時既に遅く、感染は広がってしまっているでしょう。日本は足取りを追うのではなく、「いつ、どこで、感染者(あるいはクラスター)が発生するか」を予想することによって多くの人が感染することを防ぎたいのではないでしょうか。

 

緊急事態宣言により、自治体が個人や社会に対してより強い要請をするが可能となりました。例えば「パフェ 原宿」という検索ワードが多く検索されていたとしたら、原宿のどこかの店舗で販売しているパフェに関し何らかの興味が集まっている事態を予想することが出来ます。実際に位置情報を見てみたら人が多くいることが判明するかも知れません。こうなると自治体は予防線としてそのパフェを扱っているお店に対し自粛を促すことが可能となるのではないでしょうか。

 

緊急事態宣言により、重苦しい空気が日本を包むこととなるでしょう。そんな時、網の目を掻い潜るような営業をする店が出てくるかも知れません。情報は口コミで即座に広まります。表向きでは見えない部分を明らかにし、感染者やクラスターが発生する可能性が高い場所を特定するためには位置データや検索結果は有効ではないかと考えました。

 

この位置情報や検索データを活用した感染拡大を防ぐ対策の効果が出るまでには恐らく長い時間がかかることになるでしょう。韓国の例と異なり、国民のプライバシーを守りながらどのようにして感染の拡大を防いでいくのか、注視して見守りたいと思います。

 

参考記事

ヤフー、分析データを政府提供へ 新型コロナで :日本経済新聞

韓国、医療崩壊しないわけ 1日2万件検査能力/10分で移動追跡/ベッド数充実 新型コロナ:朝日新聞デジタル

 ・感染防止、民間データどう活用 位置情報/多く検索された言葉 政府、提供を要請 新型コロナ:朝日新聞デジタル