「不要不急」に頼っていた病院経営
まとめ
- 新型コロナウイルスの患者を受け入れている病院の利益率が4月、平均で10%を超える赤字に転落したことが18日、病院団体の調査で分かった。
- 4332病院を対象に調査した結果、新型コロナウイルスの患者を受け入れた269の病院は利益率がマイナス11.8%で悪化幅もさらに大きかった。
- 厚生労働省は4月からコロナに対応した診療報酬を増やしたが、損失を埋め切れていない。
- 各病院は手元資金が豊富とは言えず、6月にも経営危機が表面化する可能性があるという。
考察
新型コロナウイルスの治療に当たる医療従事者が英雄かのように扱われているが、実際の現場は讃えられるものではないだろう。今回、病院への調査によって、病院の厳しい経営状況が露呈する結果となった。新型コロナウイルス感染の予防として病院に足を運ぶ人が少なくなり、外来の初診患者数が減ったとの解説が続いている。いわばこれまでは「不要不急」の外来患者が多かったということになるだろう。
新型コロナウイルスの出現に関わらず、病院は感染症への感染リスクが大きい場所であり、必要最低限の通院で済ませるべきなのだろう。しかし、院内を見てみるとお年寄りの憩いの場となっている状況が散見される。本来病院とは「行く必要がない」場所なのである。
これまでの病院経営は「不要不急」の患者に通院を要していなかったか、必要以上に薬を投与していなかったか。経営の立て直しと同時に診療方針も再度確認する必要があるであろう。