ヨミカツ

ニュースを読んで、見て、感じて、伝える練習をしているブログです。

その人の本当の人物像は一体どこに?

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まとめ

  • 就活生の裏アカを特定し、一体どんな人物なのかエントリーシートに記載されていないその人の素性を調べる企業が増えてきている。
  • 学生の裏アカ特定を依頼した企業はSNSでの情報流出や炎上を防ぎたいという思惑がある。
  • 厚労省の担当者は「本人の適正・能力に関係のない情報が把握されかねず、採用に影響する懸念があるため、望ましくない」との考えだ。

考察

裏垢の特定は昔で言う身辺調査のようなものだろう。しかし身辺調査と裏アカの特定は似て非なるもののような気がする。身辺調査はあくまでもその人がこれまでにどのような行動をしたかが問われるものであり、対する裏アカの特定はその人が今何を考えているかを特定するという意味では、行動の一歩前の段階を知ることであり、その人の思想をジャッジすることになりかねないからである。言論および思想の自由があるものの、企業によってその自由度が線引されてしまう結果となっている。

参考

(探られた裏アカ 就活の深層:上)就活生の「裏アカ」まで調査:朝日新聞デジタル

表現方法からみる五輪・パラリンピック

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まとめ

  • 東京五輪パラリンピックの報道で使われた言葉を朝日新聞で調べたところ大きな違いがあった。
  • 五輪→代表・勝利・才能 パラリンピック→出場・始める・努力
  • 奈良県立大学の岡井崇之教授は「多様な報道機関や筆者が発信した記事の集合体なのに、使われる言葉の違いや、特定の物語化の傾向がはっきり表れている。健常者のスポーツと障害者のスポーツを同じとは見ていない社会の共通認識や文化的な理由が存在すると説明できる」と話した。

考察

東京五輪パラリンピックの両方をぼんやりと観戦していたが、やはりパラリンピックのほうは「日本を背負って」というムードは少なく、どちらかというと個人の夢の舞台という印象が強かった。スポーツは健常者、障害者関係なく皆に平等なはずなのにどうしてこのような差が出てしまうのだろうか。

参考

(FOCUS OLYMPICS)五輪・パラ報道、言葉に透けるのは 3.6万超の記事、使われた言葉分析:朝日新聞デジタル

移動手段の役割を超えていく車たち

f:id:hase-base:20210925141137j:plainまとめ

  • ホンダは2022年後半に北米で発表する車からGoogleの音声操作機能をシステムに導入していくと発表した。アプリ配信サービスのグーグルプレイを通じて多くのスマホ向けアプリも利用出来るように。
  • 自動車操作のデジタル化が急速に求められており、自社でシステムを開発するよりIT大手と手を組むことによってコストを抑えられるメリットがある。
  • 日産自動車は電気自動車「アリア」にアマゾンの音声操作システムを搭載する。

考察

以前はテレビはテレビのみ、電話は電話のみ、車は車のみの機能だけであったのに、ITの普及によって物と物の境界線がなくなり、情報システムの中で私たちは踊らされるように生活するようになった。自動車に音声操作システムが導入される、とのことだが自動車という人の命を奪ってしまう凶器となり得るものを扱うには集中力と責任が問われる。自分の頭で考え、判断する機会をどんどん奪われていく私たち。便利さと引き換えにするものの代償は大きいと思う。

参考

ホンダ車にグーグルOS 音声操作や地図、まるでスマホ:朝日新聞デジタル

「生」に対する人の介入、どこまでなら許されるのか

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まとめ

  • 体外受精で得られた受精卵のすべての染色体の数を調べ、異常のないものを子宮に戻す「着床前検査」の有効性を調べる研究の中間報告では通常の体外受精に比べて流産率が下がったという。
  • 受精卵を子宮に戻せた人で妊娠に至ったのは66.2%で通常の体外受精の33%を上回った。流産率は9.9%だった(通常の体外受精の流産率は25%)
  • 妊娠することへの期待がある一方で長期的にみて出生した子どもにどのような影響が及ぶのかは未だわかっていない

考察

先日体外受精によって出生した子どもの割合が14人に1人になったという報道がされていた。(参考:体外受精児最多、14人に1人:朝日新聞デジタル)生殖医療の進歩は目覚ましく、もはや神の手の領域に踏み込んでいると言っても過言ではないだろう。今回の中間報告も喜ばしい報告ではあるものの、どこまで「生」に人の手を加えるのか、議論は尽きない。

参考

言葉に役割を与える力を持つ言葉「役割語」

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まとめ

  • 大阪大学大学院文学研究科の金水敏教授は特定の人物像と結びついた特徴ある言葉遣いを「役割語」と名付けた。
  • 江戸時代に上方風の話し方をしていた医者や学者の話し方が誇張され、戯作や歌舞伎に描かれ現在まで受け継がれたものだと分析された。
  • その人物らしさに当てはめた表現であり、現実とも異なる役割語は言語上のステレオタイプ。性差が強調されるため、翻訳業界では役割語の用い方が議論となっている。

考察

おじいちゃんや博士→「知っておるのじゃよ」、女性→「〜だわ」、男性「〜なのさ」など普段何気なく使っている口語も役割語であるということに気付いた。

洋画や洋書など読みにくい・物語の世界に入りにくいと感じるのは役割語が多様されており、頭の中で思い描くキャラクターと役割語によって与えられるキャラクターのギャップが大きく、一方的に登場人物の印象を押し付けられてしまうことが背景にあるのかも知れない。

参考

 

マスクをすることで不利益を被るケースでの対策を

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まとめ

  • 「マスクをつけて弁護は出来ない」弁護人のこんな一言で、東京地裁裁判員裁判が2時間超にわたり中断する一幕があった。「遺憾だ」とする裁判所に対し、弁護人は「つけないといけないなら再開は時期尚早だ」と反論した。
  • 弁護人は「感染拡大を防ぐのは大事だが、(被告の)人生を決める重大な裁判。マスクをすることは難しい」と応じなかった。
  • 弁護人は取材に対し、「証人や被告に尋問するときは、質問者の表情も重要になる。マスクをつけると適切な手続きで真実を発見するという裁判のあるべき姿が減じてしまう」と話した。

考察

新型コロナウイルスの感染拡大防止にマスクを着用しましょう」というのは広く浸透してきましが、意志をもって「マスクをつけない」という選択肢もあるのだなと気付かされました。

多くの裁判事例の1ケースと扱うのではなく、「(被告の)人生を決める重大な裁判」と位置付け表情もすべて含み戦う弁護人は非常に勇敢で信頼のおける人だなという印象を受けました。

私は幼い頃病院が苦手だったのですが、その理由を考えると「医師がマスクを着用しており、何を考えているのかわからないから怖かった」というのが一因としてあります。「目は口ほどに物を言う」とは昔から良く言われますが、視線だけ向けられるとどうしてもたじろいでしまうのではないでしょうか。

飛沫感染を防ぐために有効な対策は何もマスクだけではありません。表情が必要な鍵となる場面は他にもあるでしょう。その際にマスク以外の飛沫感染を予防する策はないのか、今一度講じる必要があると感じました。

参考

プロスポーツ選手にもっと敬意を表して

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まとめ

  • プロ野球開幕を6月19日に控え、球団側と労組プロ野球選手会の事務折衝がオンラインで行われた。
  • 主に新型コロナウイルスによる特例措置について話し合われたが、出場登録日数の扱いで意見に隔たりがあり、今後も競技を続けることになった。
  • 今季はシーズン期間が短縮されるが、球団側は登録日数の特例措置を設けない意向を示した。このため、全選手がFAの既定日数145日を満たさず、FA権取得には1年余計に必要となる。また、年俸や出来高払いにも影響が出るとされている。

考察

3月20日に開幕予定だったプロ野球が約3ヶ月遅れで開幕することが決まった。ようやくスポーツを楽しむ出来るようになったことが嬉しい。

しかし、スポーツ選手も我々を楽しませるためにスポーツをしているわけではないし、ましてやボランティアで戦っているわけではない。選手にも「もっといいプレーをしたい」と思えるような報酬が必要だろう。客寄せパンダになってしまわないよう、スポーツ選手を取り巻く環境も柔軟に変わっていく必要があるだろう。

参考