まとめ
- 出入国在留管理庁は20日から、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で働きてを失った技能実習生や新在留資格「特定技能」の外国人のために、再就職先を探す支援を始める。
- 雇い止めにあって生活に苦しむ外国人と、雇う予定だった外国人の来日中止などで人手不足に喘ぐ事業者を結ぶ目的。
- 本来外国人実習生が職を失なった場合、同じ職種で再就職先を探さないといけないが、例外的に従来認められていない異業種への再就職を支援する。
日本の農業分野で生じる人材不足
- 日本で常時農業に従事している基幹的農業従事者は140万人おり、そのうち65歳未満は約42万人。また、農業に従事する外国人技能実習生は3万人強いおり65歳未満の基幹的な従事者の1割弱にあたる。
- しかし今回のコロナウイルスの影響で中国から日本に来日するはずだった約1,000人の人々の入国の目処が経っていない。また、ベトナムからの留学生も入国から14日間の待機を余儀なくされている状態が続いている。
農林水産省の取り組み
- 人手不足が深刻化している農業分野の支援として、農林水産省は野菜収穫を担う人に、交通費や上乗せ分の労賃などを負担する補助金を設ける。(参考:令和2年度農林水産関係補正予算の概要:農林水産省)
- この仕組みを利用し、事業縮小や雇い止めが懸念される業種(観光業やタクシー業界)からの受け入れを想定している。
考察
今回異例の措置として異業種への再就職を許可するとの通達が出た。本来は長く1つの職種に従事することで専門性を磨くというのが目的ではあるが、広くいろんな業種を体験出来るというのも良いのではないか?と感じた。
日本人の我々であっても就職先を選び、ずっと就業するというのは難しいことなはずなのに、生活習慣の違う外国人にそれを課すのは非常に酷なのではと感じた。「生活のために」働くのではなく、就労の選択の自由を与えてもいいのでは。
また、雇い止めや業務縮小が懸念されている業種を他の業種が救うことはコロナが収束した後にまた新たな絆や視点を広げてくれることになるのではないかと個人的には希望的観測を持っている。(農家とレストランの業務提携、タクシー内での野菜商品の注文の受注など)
今回のこの取り組みはあらゆる業種の心理的垣根を取り払い、フラットな社会を作り出す緒となって欲しいと感じた。