まとめ
- この冬の記録的暖冬について、気象庁の異常気象分析検討会は14日、インド洋で起きた海水温の大きな温度変化が一因と発表した。
- 昨年夏から年末にかけて「インド洋ダイポールモード現象」が発生
- 海水温の異常はアフリカでのバッタ大量発生やオーストラリアの森林火災拡大にも繋がったとされる。
- インド洋ダイポールモード現象は5〜6年に1度起きると言われているが、この冬は「過去最強クラス」だった。
インド洋ダイポールモード現象とは
インド洋ダイポール現象は、熱帯インド洋で見られる気候変動現象で、数年に1度、夏から秋にかけて発生します。
正のインド洋ダイポール現象
インド洋ダイポール現象には正と負の符号があり、正のインド洋ダイポール現象が発生すると、熱帯インド洋の南東部で海面水温が平年より冷たく、西部で海面水温が温かくなります。
この水温の変化によって、通常は東インド洋で活発な対流活動が西に移動し、東アフリカで雨が多く、インドネシアでは雨が少なくなります。
また、熱帯からの大気の変動を通して、日本では雨が少なく、気温が高くなる傾向があります。
負のインド洋ダイポール現象
一方、負のインド洋ダイポール現象は、熱帯インド洋の南東部で海面水温が平年より温かく、西部で海面水温が冷たくなります。
この水温の変化によって、通常は東インド洋で活発な対流活動がさらに活発となり、インドネシアやオーストラリアで雨が多くなります。
また、熱帯からの大気の変動を通して、日本では雨が多く、気温が低くなる傾向があります。
考察
この冬は正に“異常”とも言えるくらい、暖かくて穏やかな日々が続きました。「寒くなくて過ごしやすい」という声も聞かれましたが、やはり冬は冬らしく冷え込まないとなんだ薄気味が悪い、そんな感じがしました。
この冬の暖冬は「インド洋ダイポール現象」が引き起こしたということが判明しましたが、このインド洋ダイポール現象を誘発するインド洋で南東貿易風の変化がどうして起こったのかその原因がまだはっきりしていません。
気象に関しては過去の天気により左右されることが多いでしょう。今日の気象が半年後、そして来年の気象に繋がります。起きている「異常」を引き起こす原因はもっと前にあるのです。私たちは「今が良ければいい」のではなく、常に「未来」を想像し、優しく生活していかねばならないと感じました。
参考
・インド洋の海水温異常が一因 今回の記録的暖冬:朝日新聞デジタル